好きなタレントとか。の巻

春。
そろそろ出会いの季節です。


出会って日が浅い人に訊かれがちなことに、「好きなタイプ」や「好きなタレント」がある。
これはなぜかというと、ただ単に「好きなタイプ」や「好きなタレント」を訊いて話のネタにしたいのと、その質問への回答が「自分をどう見せたいか」「人からどう見られたいのか」を暗に含んでいるからである。
それによって、ふむふむ、こいつとはこう接したらよいのか、と判断し、極端な場合、その人に近づくかどうか決めるわけである。


たとえば、「好きなタレント」を「麻生久美子」と答える人とは、たぶんそこそこ仲良くやれると思う。
逆に、「倖田來未」と答える人とは、どうだろうか。
素直な好奇心からどこが好きなのか訊ねて、憤慨させ、殴打されてしまうかもしれない。恐ろしい。
この前やっと終わった朝ドラ「純と愛」に出演していた「夏菜」と答える人は、きっと謎めいた人物で、おもしろいはずである。わけがわからない。


こういうときに「麻生久美子」と答える便利さというものが確実にある。
男女を問わず、相手をまったく嫌な気持ちにさせないのだ。
僕は麻生久美子さんがとても好きだけれど、かといって麻生久美子さんの顔が普遍的に美しい・かわいいとは言い切れない。
ただ、とてもキュートで好きである。


西田尚美さんもけっこう好きだけど、前に京都を旅する番組で手作り市を訪れ、3万円もするカゴを「安〜い!」と言いながら買うのを見てから、素直に好きと言えない。


広末涼子さんも好きで、しかしこれは反感を招きやすい回答と言え、危険である。
あと、なんだか少し頭が悪そうに見えてしまうことにも留意しなくてはならない。


ついでに、反町隆史が好きだ!という人と、うまくやれる自信がない。
モルグを好きだと言ってくれる人のなかに、「好きなタレント」を訊かれて反町隆史と答える人は果たしているのだろうか?


その点、堺雅人とか、向井理星野源などは大人気な気がする。
これはマーケティングという点でも非常に興味深い。


もっとたくさんの人に好かれようと思ったら、僕たちは色黒でサングラスでヒゲにして、人数も15人ぐらいにしたうえ、ダンスもした方がよいのかもしれず、また、欧米系の外国人がメンバーにいてもよいかもしれない。


と思ったが、これは現実的ではない。
ネックなのは、15人もメンバーになってくれるはずがないということと、ダンスをする体力などないことである。


しかし、何か方法があるのではないか、と思い、EXILEという人のライブ映像を観た。
とてもエンターテインで楽しかった。
こういうことだな、と思った僕は、玄関のドアを開け、外の世界に踏み出した。
日サロへ行くことにしたのだ。


藤谷☆ゆーた