あなたは何者ですか?の巻

「自分は何者なのか」というと、やれ中二病だの、やれ哲学厨チーッスwwだのとすかさず言われる世の中ではあるが、そういう意味でなく何者なのか、実はハッキリしない。
というのは、僕が労働に従事していないから。


サラリーマンなら「あなたは何者ですか?」と訊かれても楽勝で「会社員だぴょーん」
と答えればよいのだけど、果たして僕の場合はどうか。


「ミュージシャンだぴょーん」と言うのもどこか照れくさい。
なぜ照れくさいのかというと、ギターの演奏が下手くそで、かつ歌も下手くそだから、ではない。
実際にギターの演奏も歌も下手くそだが、ミュージシャンを自称する照れくささはそれに因るものではなく、たぶん対価を得ていないからである。


僕は作詞作曲をしたり、メールで方々への諸連絡をしたり、アレンジを考えたり、デモを録音したりなどしていて、これは一般的な会社員とは仕事内容はすこし異なっているかもしれないが、そんなに大きく違いはしないと思う。
しかし、対価を得ていない。


これが意味するところが家事労働のような「ただ働きをしている」ことであればまだ社会の役に立っているだけマシで、というか、ガンガンにすばらしいけれども、家でエロ本を読んでいるのとひょっとすると変わらないかもしれない。
まぁ僕なんかはそんなけしからんものは読まないが(AV世代なので)。


要するに、自分のミュージックが「趣味/仕事」というよくあるカテゴリーにそぐわないせいで、「ミュージシャンです」と言うのが照れくさいのだ。
自分のミュージックが生活できるほどの対価を生み出さないから、照れくさいのだ。


赤字経営の会社を運営している人もいるわけで、ミュージシャンだってそれと大して変わりはしない。
どうやってお金を得ているかなんて、訊きたい?
そもそも、「あなたは何者ですか?」に職業で答えて安穏としていてよいのか?


「あなたは何者ですか?」と訊かれたら毅然とした態度でこう答えよう。
「エロ本を読んでいます」、と。
(*僕はそんなけしからんものは読んでいません)


藤谷☆ゆーた