反骨心の妥協〜高安の悲劇〜の巻

今日は変態ギタリストなのにまだギタープレイにはいまいちその変態性が発揮されないサトタツと昼からレコーディングをするべく、とりあえずその前に昼餉を共にしました。

京都の一乗寺というところはラーメン屋がたくさんあって、行列ができる店もたくさんあるのですが、ぼくがずっと好きなラーメン屋に行列ができているところは一度も見たことありません。いつもガラガラです。

なんかぼくは、行列ができている→それに加わる、ことにとてつもない抵抗があるのです。
こんな行列に並ぶなんて、多数決に屈する馬鹿者じゃないか。
それもその多数決も、多数が指示しているから指示している馬鹿者が多いに決まっているのだから、その行列に並ぶのは、馬鹿者より馬鹿者ということになってしまう。

などと、誰も見ちゃいねぇよ、っつーことを気にしてしまって、もし行列のできるお店で食べても素直に褒められないのです。

そんなわけで、一応行列のできるお店でも食べてみて、それでもここが一番おいしい!とぼくが思うラーメン屋「鶴はし」に行ったのです。
昨日からサトタツとは、「昼餉に鶴はし」と決めていたので、ちゃんとググって定休日が木曜日であることを確認して行きました。

したら。

臨時休業。

…マジで!?

仕方がないので癪だけど行列のできる店にまだ行列ができていなかったこともあって、久々に「高安」へ。

このお店、ラーメン屋の癖に内装がお洒落でムカつく、と、一回行って以来思っており、やっぱり今日もムカつく内装でしたよ。
ムカつく内装の段差にサトタツがつまづいていました。

「もうちょっと勢いがよかったら、ラーメン食ってた人に思いっきり突っ込むところだったよ!」(サトタツ談)

そんなこんなで席につき、メニューを見ると、から揚げ3つとライスがついてくるセットがあり、かと思いきや、から揚げひとつとふたつも選べちゃったりして、ひとつじゃ物足りないよね!と予想、ふたつとライスがついてくるセットを注文。
ラーメンは限定のすじラーメン。

先にから揚げが運ばれてきました。






でかっ!
から揚げでかっ!
それで数を選べたのか。
気づいたときには遅かった…


後、ラーメンが運ばれる…
なにやらスープが溢れて、下の皿にまで垂れている。
はぁ、どうせうまいんでしょ?はいはい。







…まずい!
麺がまずい!
スープになんか変な甘みがあって、軽く伸びた麺にむちゃくちゃ絡んで、よりまずい!

サトタツに「麺まずくね?」と言うと、「…うん、まずいね…。伸びてるよね…」とのこと。やはり。

初めてラーメンを残しました…。
それも半分は残しました。
店員さん、ごめん。


諦めて店内のテレビに映っている「奥さまは魔女」を無音で眺めていると、サトタツは立派なものでクソまずいラーメンをじゅるじゅる食べていました。
れんげでなぜか甘い香りのするスープまで飲んでいました。

いよいよスープの残りも佳境に入ったのでしょう、サトタツが器を口につけてスープを飲もうとしたとき、事件は起こりました。





ぼちょぼちょぼちょぼちょ





思いっきりこぼれるスープ。

目測誤りすぎじゃない?

と思ったら、どうも溢れたスープを受け止める下の皿が器にくっついてしまって、その皿から大量のスープがこぼれたようです。

ぼくはおかしくて、おーっほっほっほ!と高笑いをしましたが、周りのお客さんは無反応でした。
おそらく中国人だと思われる店員のさいさんは、即座にタオルを持ってきてくれました。ファインプレーです。

どうやらほとんどが床にこぼれたようで、股間は濡れていませんでした。
しかし、昨日洗ったばかりのVANSのスニーカーはクソまずいスープでぐしょぐしょに…。

あ〜あ…


で、会計の前に食べきれなかったから揚げを包む紙袋をもらい、会計。
ぼくが先に払って、サトタツを待っていると、レジのさいさんが、


「○○っこ大丈夫でしゅか?」


と言ったように聴こえ、まさかね、と思ったのです。


帰り、車でサトタツが、


「散々な目にあったよ…。店員にはおしっこ大丈夫ですか?って言われるし…」


と言いました。



やっぱ言ってたよね!
さいさん、

「おしっこ大丈夫でしゅか?」

って言って、サトタツ股間を指差してたよね!

と、ここにきてようやく二人してさいさんのあまりにアグレッシブな勘違いに気づき、爆笑。
サトタツは、

「ラーメン食いながらおしっこしねぇよ!」

と言っていました。

後、サトタツの家に寄って靴を履き替え、サトタツギターのレコーディング。

むちゃくちゃによいのが録れた。
曲が録る前の10倍よくなった。

サトタツも出来に満足し、

「すごいよくなったねぇ!よかった〜、今日!」

などと言っていたので、

「ラーメン食いながらおしっこしちゃったけどね☆」

と意地悪を言うと、情けない笑顔でえへえへと笑っていたのでした。


ふじたにゆーた